WT02Sは、ロボカップジュニア・サッカーチャレンジで昔使われた定常光赤外線ボールを
現在のライトウエイト/ビギナーズ競技で使われる赤外パルス発光ボールに改造するための部品です。
古い定常光ボールは捨てずに取ってあるけど、使いみちがない。という方は
改造に挑戦しましょう。
WT02S
◆改良のため基板や部品の形状が変わることがあります
改造のもとになる定常光ボールが必要です。 定常光ボールから、球ケース,スペーサねじを再利用し、 両端の基板,赤外LEDを部品取りして使います。
製品には回路図,部品表が付きますが、改造の方法はこのHP資料を見て作業してください。 電子工作の経験者向きです。 作業には、旧ボールから部品取り、基板に電子部品をはんだづけ、 導線のはんだづけ、確認 などがあります。
写真01. Before → After左が改造前の定常光ボール。右が改造後、内側の2枚の基板を入れかえます。
改造したボールは公式ボールと同じ赤外パルス光を出しますが 公式球ではありませんので練習で使ってください。
この改造方法で今まで数個のボールを作り完成しています。
しかし、定常光ボールの中には異なる仕様の物があるかもしれません。
異なる部分がある場合は利用者の方で対応をお願いします。
製品の部品は確認をして出荷していますが、
定常光ボールから再利用する部品が傷んでいるなどの理由で動作しないことがあることをご承知ください。
お問い合わせはe-mailでお願いします。
部品記号 | メイン基板 | サブ基板 | 合計 | |
プリント 配線板 |
●WT02×2枚 | 2 | ||
U1 | ●アナログコントローラIC | 1 | WT02S 機能はWT01Sと同じです。WT02S用に設計しています。 |
|
U2 | ●3端子レギュレータ | 1 | 制御電源 | |
Q1,Q2 | ●トランジスタ×2個×2枚 | 4 | 電流制御 | |
D1,D2,D3,D4 | 赤外LED×4個×2枚 | 8 | ★定常光ボールから部品取り | |
D6,D7 | ●表示LED×2個 | 2 | 電源表示。白色LED。 | |
C2,C4 | ●セラミックコンデンサ または 積層セラミックコンデンサ×2個 |
2 | 電源パスコン | |
C1 | ●アルミ電解コンデンサ | 1 | 電源パスコン | |
C3 | ●アルミ電解コンデンサ | 1 | 電源パスコン | |
R2,R4 | ●抵抗器×2個×2枚 | 4 | 赤外LED電流を決まった値にするため電流値をフィードバックする。 | |
R5,R6 | ●小型抵抗器×2個×2枚 | 4 | 電池電圧が不足したとき回路を保護する。 | |
R7,R8 | ●小型抵抗器×2個 | 2 | 電池電圧を監視するための分圧抵抗。 | |
R12,R13 | ●小型抵抗器×2個 | 2 | 表示LEDの電流制限抵抗。 | |
S1 | ●スイッチ | 1 | 電源スイッチ | |
被覆電線 | 1本 | 1 | ★定常光ボールから部品取り | |
裸線 | 6本 | 6 | 切った抵抗,コンデンサの足を利用する | |
球ケース スペーサ,ねじ 電池接点基板 |
1式 | ★定常光ボールの部品を利用 |
定常光ボール RCJ-04 → パルス光ボール WT02S 改造作業
改造に必要な工具類定常光ボールを分解する。
両端の基板は電池ホルダーとして再利用する。
RCJ-01-A基板についている電線は再利用するので切らずにていねいにはんだをはずす。
基板間を渡っている裸線は切って良い。
RCJ-01-D基板に残る裸線ははんだをはずして取りはずす。
RCJ-01-A基板とRCJ-01-D基板は、赤外LEDをていねいに取りはずす。LEDは再利用する。
LEDは内側の基板よりも両端の基板から取りはずした物の方が足が長くて良い。
☆動かない原因に電池接触不良が多い。
この機会に電池接点が汚れていれば磨いておく。
中心の金属スペーサは電池+の導線になっているのでここもきれいにする。
+極接触面の汚れ、-極ばねの汚れ、ばねのかしめ不良 が導通不良原因になるのでよく点検しておく。
テスターで導通を調べる。
テスターでLEDが生きているか点検するとともに、足の長さでは判断できないので
A(アノード),K(カソード)の極性を調べておく。
Aを+,Kを-につないで導通があり、逆につなぐと導通がないのが正常。
プリント配線板WT02を手で折って切り離し、突起部をサンドペーパーやヤスリで丸く仕上げる。
基板は「メイン基板」「サブ基板」の2枚作るが、2枚の違いは部品をつけるかどうかの違いで、
配線板は同じ物が2枚。
回路図の「--」と書いている部品は取り付けない。
背の低い部品からはんだづけしていく。
基板組み合わせ時に基板表側は10mmの間隔で向かい合うので高さを考えて作業すること。
参考資料 » はんだづけをうまくするには
抵抗を取り付ける。
メイン,サブ両基板に付けるのがR2,R4,R5,R6。
メイン基板だけに付けるのがR7,R8,R12,R13。
印刷表示に合わせて付ける。抵抗に極性はないが、カラーコードの向きをそろえると後で確認しやすい。
写真は印刷文字の方向に合わせて取り付けてある。
写真は値の違う抵抗が付いているものがある。
セラミックコンデンサまたは積層セラミックコンデンサC2,C4 を取り付ける。
(積層)セラミックコンデンサは極性なし。写真の青い部品は積層セラミックコンデンサ。
印刷表示に合わせて付ける。
コンデンサの穴は3つあり、2つはつながっているので、ピン間隔に合う穴を使う。
コントローラIC[WT02S]:U1 を取り付ける。U1の向きに注意。印刷表示とICの半丸の印を合わせる。 写真と違いICの現物には半丸印がついている。
アルミ電解コンデンサC1,C3 を付ける。
付けるのはメイン基板のみ。印刷表示に合わせて付ける。
電解コンデンサは極性あり。足の長い方が+極、本体に-表示があるのが-極。
基板には+極の穴が2つありつながっている。どちらかピン間隔に合う穴を使う。
電解コンデンサは寝かせる。電池穴にかからないように少し曲げる。
トランジスタQ1,Q2 を付ける。
付けるのはメイン,サブ両基板。印刷表示に合わせて付ける。
☆トランジスタと電圧レギュレータICは形が同じなので注意する。
電圧レギュレータIC:U2 を付ける。付けるのはメイン基板のみ。 印刷表示に合わせて付ける。
スイッチS1 を付ける。操作側を基板の外向けに付ける。
スイッチは加熱しすぎると内部が溶けて不良になるので時間をかけすぎないこと。
電源表示LED:D6,D7 を付ける。
印刷表示に極性を合わせて付ける。
表示LEDの足を直角に曲げて基板の外側向きに付ける。
LEDの足の長い側がA(アノード),短い側がK(カソード)、LED記号は
AKを示す。
写真15,16を参考に、表示LEDの中心と基板表面とが5mmくらい離れるように浮かして付けると表示が見やすい。
部品取りした赤外LEDを基板裏側D1∼D4 に付ける。
A,K極性に注意。印刷表示に極性を合わせて付ける。
赤外LEDは足を長くして基板から離し、基板との角度を35度上向きにする。写真13を参考に。
RCJ-01-D基板の配線をする。
RCJ-01-D基板の「TO」の文字のある穴と メイン基板のJ1とを部品取りした電線で接続する。
メイン基板はJ1横の穴に、裏側から通して、表側ではんだづけする。
この配線は電池-極の導線になっている。
メイン基板の赤外LEDがついている側
もとのボールと同じになるようにスペーサで4枚の基板を固定する。
順番は、写真上から、RCJ-01-D + メイン基板 + サブ基板 + RCJ-01-A
メイン基板とサブ基板は、おもて面を向い合わせ、
外周凹部が同じ方向にする。
横から見て赤外LEDは正方形の角に近い配置になっていると良い。
RCJ-01-D基板とメイン基板との関係
メイン基板とサブ基板のうらおもて、 外周凹の位置を確認する。
メイン基板の表示LED:D7側とサブ基板の6個のスルーホールを、切り取った抵抗,コンデンサの足で接続する。
次の組み合わせで接続する M1-N1, M2-N2, M3-N3, M4-N4, M5-N5, M6-N6
こちらは何もしない。
まちがいの原因の多くは「思い込み」です。作った物と、部品表・回路図・このHPの説明文
をもう一度見くらべましょう。
写真は補助的なものです。部品の色や形が違うことがあります。
写真だけを見て組み立ててはいけません。
資料は十分に正確であるように書いていますが、
もし資料に不備やわかりにくい点があればお知らせください。以後改善します。
電池の出し入れは電線でつながっていない側のRCJ-01-A基板をはずして行う。
電池の+-が正しく合うようにRCJ-01-A基板の向きを合わせる。
電池の-にばねが当たるのが正しい。
電池を入れるときに、RCJ-01-A基板の向きが90度違うと電池をショートさせるので マジックやシールで合いマークをつけると良い。
表示LEDは、電池電圧が十分あるときは遅い点滅、
電池電圧が低下すると早い点滅の表示をする。
点滅の状態では赤外LEDは正常に発光している。
電池電圧が不足すると暗く連続点灯または消灯し
このとき赤外LED発光も停止する。
パルス光ボールセンサとセンサーモニターを用意し、センサが反応することを確かめる。
できれば、赤外光が写るカメラで全部の赤外LEDが点灯していることを確かめる。 パルス発光なので定常発光より暗く見える。
オシロスコープで赤外LED電流を観測したいときは、R2,R4の電圧を見る。R2,R4の片方はGNDである。 Q1,Q2による電流制御回路となっている。
もとの球ケースに入れて完成。
メイン基板のスイッチがケースのスイッチ穴に来るように入れる。
スイッチの操作は先の細い棒を使う。