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外付け入力反射光センサ … WS08S,WS08H

WS08Sは、発光受光回路を外付けして反射光の強さを調べるセンサです。 サッカー競技で緑色の床に引かれた白線の検出に使います。

一般の反射光センサは、現在の反射光の強さに応じて信号を出力します。 走りながら白線を横切るときは センサの値を調べる時間間隔が長いと白線を見逃すことがあります。 そうならないために、時間のかかる命令を避けるプログラムにしたり、 マイコンの持つ割り込み機能やハードウエア処理など知識を必要とする対策があります。

このような対策ができる人はそれに挑戦しましょう。 でも、それらの対策が難しい場合はこのセンサを使えます。
WS08Sは白線を検出するとその信号を一定時間延長して出力するため見逃しを減らすことができる デジタル出力反射光センサです。

WS08S WS08S写真
WS08H WS08H写真
◆改良のため基板や部品の形状が変わることがあります

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WS08S,WS08Hは発光受光素子は含みません。 素子付きの受発光素子基板WS09を用意しています。 受発光回路を自作する場合はLED電流制限抵抗を付けてください。
WS08SとWS08Eとの違いは、WS08SはLED電流制限抵抗を外付けにしていることです。 WS08S,WS08Hは受光発光回路を並列につなぐことができるため入力数が自由です。
WS08SとWS08Hとの違いは、WS08HはLED発光時出力電圧を高く設計していることです。
WS08SはWS10Eと機能は同じです。

特徴

WS08Sの出力信号

白線を走って通過する時の出力を示しています。 ①はWS08Fなどのアナログ出力のもの。②がWS08S,WS08Hのデジタルで時間を延長する出力のもの。


WS08組み込みイラスト

機体へはWS08S, WS08Hと、電流制限抵抗付き発光素子,受光素子を分けて組み込めます。


外形

WS08S外形図

組み込み方に合わせて、各接続端子には、電線を直接はんだづけするか、 取り付け場所に合う 2.5mmまたは2.54mmピッチのコネクタを付けてください。 コネクタは製品に含みません。

回路

WS08S回路図 ◆改良のため回路が変わることがあります

光源のLEDを600Hzで点滅させます。
可視光フォトトランジスタは、反射して来る光の強さを電流に変換します。 この信号には600Hzの反射光の他に不要な外光の電流も含まれます。
これを600Hzバンドパスフィルタ(BPF)に通すと、反射光の信号だけが得られます。 BPFは周波数600Hz付近の信号だけ通す回路です。
これを整流し、コンパレータで基準の電圧と比較し反射光の強弱をデジタル電圧信号に変換します。 ワンショットは'H'状態を一定時間延長します。

使い方

P2,P3,P4のどれかまたは全部に、WS09または自作の受発光素子回路を接続します。
WS08配線例

写真は発光受光素子の接続の例です。 基板の穴に電線をはんだづけしたり、コネクタを利用する方法があります。


WS08配線例

WS08Hで白色LEDを発光させています。LEDの順方向電圧の違いにより、電流制限抵抗の値を選んでください。


WS09

発光受光素子の固定にはWS09を使うと便利です。 かんたんな回路なので自作でもできます。
WS09完成品とキットは赤LED仕様です。WS08Hと組み合わせるにはLEDか抵抗を合わせる必要があります。


P1に電源,信号を接続します。
半固定抵抗V1で受光感度を調整してください。
反射が少ない状態で出力値'L'(0%に近い値)、 反射が強くなると出力値は'H'(100%に近い値)になります。

入力を増やすための発光受光素子の並列については WS10E「解説」入力を増やすには を見てください。

より線対 ノイズ防止のためには、写真のように対となる電線をより合わせると有効です。 これを「より線対(せんつい)」や「ツイストペア」と言います。
センサの配線はモーターなどノイズを出す配線とできるだけ離します。
対となる電線とは、LED両極、フォトトランジスタの両極、DCモーターの+-電極 など、同じ電流が逆方向に流れる1組の電線のことです。

WS08S,WS08Hはパルス発光していますので、別のWS08/WS10の照射範囲が重なると 他方のパルス光の影響で正しく働きません。 WS08/WS10を2個以上を使うときは照射範囲が重ならないようにしてください。 同じWS08S,WS08Hから出ている発光どうしでは重なってもかまいません。

指導者様へ

ロボットを使う技術教育の中で、電子回路や電子工作の教材にご利用ください。

発光素子、受光素子の信号は、基板の外に出していますので観測できます。 パルス発光させていますので観測にはオシロスコープが適しています。 最近低価格で手に入る低速のオシロでも十分観測できます。
受光電圧を見て、反射があるときとないとき、懐中電灯などの光を当てた時の振る舞いを観測すれば 回路の理解が深まります。

トランジスタの端子信号を見て働きを説明することに利用できます。 常にパルス信号を増幅していますので、別に信号源を用意しなくてもパルス波形が現れます。

素子を追加する際に並列にすべきか直列にすべきかの例示に 発光素子と受光素子を挙げてはいかがでしょう。

適度な部品点数ですので、はんだづけを含む基板製作の材料にも適します。 しかも実用的です。
» はんだづけをうまくするには もご利用ください。