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並列入力反射光センサ … WS08F

WS08Fは、ロボカップジュニア・サッカーチャレンジで 緑色の床に引かれた白線の検出に使う反射光センサです。
赤色光を照射し、1~5cm程度離れた物体の反射光の強さをアナログ電圧で出力します。 発光受光素子を基板の外に引き出せ、複数つなぐことができます。

WS08F WS08F写真

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WS08Fは発光受光素子が各3個付属しています。これらの接続を利用者でする製品になっています。 完成品でも基板には接続されていません。

特徴

WS08F組み込み例

機体へは本体基板と発光受光素子を別の場所に組み込むことができます。


緑色の床に引かれた白線を調べるのに適した赤発光にしています。
緑色や白色であることは人間が見て判断します。 人間の目は光の3原色である 赤,緑,青 を感じて、この3原色の混ざる割合で色を感じます。 白い物は、赤,緑,青をどれもよく反射します。 緑色の物が緑色に見えるのは、緑の光だけをよく反射し、その他の色を吸収するからです。
緑と白の反射の違いが大きくなるように、緑に吸収される光ということで赤を利用しています。
目に見えるので光の当る範囲がわかりやすく、反射光センサの機能を理解しやすい利点もあります。

外形

WS08F外形図
各接続端子は、組み込み方に合わせて、電線を直接はんだづけするか、 取り付け場所に合う 2.5mmまたは2.54mmピッチのコネクタを付けてください。 コネクタは製品に含みません。

回路

WS08F回路図 ◆改良のため回路が変わることがあります
光源のLEDが発する光は、1200Hzで点滅させます。
回路図 S1~S3可視光フォトトランジスタは、反射して来る光の強さを電流に変換します。 この信号には1200Hzの反射光の他に不要な外光による電流も含まれています。
これを1200Hzバンドパスフィルタ(BPF)に通すと、反射光の信号だけが得られます。 BPFは周波数1200Hz付近の信号だけを通す回路です。
これを整流、平滑して直流に変換し電圧信号で出力します。

使い方

P2,P3,P4のどれかまたは全部にLEDとフォトトランジスタを接続します。
WS08F配線例

写真は発光受光素子の接続の例です。 基板の穴に電線をはんだづけしたり、コネクタを利用する方法があります。 素子の固定にはユニバーサル基板やラグ板やWS05配線板を利用すると良いでしょう。

ノイズ防止のためには、写真のように対となる電線をより合わせると有効です。 これを「より線対(せんつい)」や「ツイストペア」と言います。
センサの配線はモーターなどノイズを出す配線とできるだけ離します。
対となる電線とは、LED両極、フォトトランジスタの両極、DCモーターの+-電極 など、同じ電流が逆方向に流れる1組の電線のことです。 WS05使用例

写真のWS05を使うと便利です。


WS08F写真

写真のように基板の穴に素子を直接はんだづけすることもできます。


WS08F動作中写真 WS08F動作中写真

動作中はこのようになります。

パルス発光のため、連続発光するLEDより暗く見えます。


WS08V写真

発光受光素子の組み合わせごとに取り付け方を変えているなど、 組み合わせによる感度の差が大きい場合のために、 半固定抵抗でLED個別に発光量を調整できる回路に作ることもできます。写真は一例です。 この改造に使う部品は製品に含みません。


P1に電源,信号を接続します。
半固定抵抗V1で受光感度を調整してください。
反射がない状態で出力電圧は0.1V~0.8Vです。この電圧はセンサによって個体差があります。
反射光が強くなると出力電圧は大きくなり、ほぼ電源電圧で飽和します。

WS08Fはパルス発光していますので、別のWS08Fの照射範囲が重なると 他方のパルス光の影響で正しく働きません。 2個以上を使うときは照射範囲が重ならないようにしてください。 同じWS08Fから出ている発光どうしでは重なってもかまいません。

入力を増やすための発光受光素子の並列については WS10E「解説」入力を増やすには を見てください。

実験

WS08Fを付けたロボット

反射光センサWS08Fと発光受光素子を左右に2か所取り付けたオムニホイールサッカーロボットです。

撮影協力: Antique


床を照らしている赤い光がセンサが出す光です。
白線の上で反射光が強くなるので、それを検出すると停止し、 その後逆方法に走るプログラムを実行しています。
走っていても白線から出ることなく止まってもどる制御ができています。