ロボカップジュニア・レスキューチャレンジでライントレースに使う反射光センサや、 サッカーチャレンジで白線検出に使う反射光センサは、 反射物まで1cm以内の近距離用の物が多くありますが、 応用を広げるために、より離れた物体にも使えるアナログ電圧出力の反射光センサを開発しました。
WS04G | ![]() |
WS04Gは緑発光 |
WS04R WS04W |
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WS04Rは赤発光 WS04Wは白発光 |
WS04Gは、1〜10cm程度離れた物体の反射光の強さを調べるセンサです。
機能的にはWS01Rと同じです。
応用例の写真・動画はWS01Rを見てください。
WS04R,WS04Wは、照射を広角度にし、1〜5cm程度離れた物体の反射光の強さを調べるセンサです。
サッカーチャレンジの白線検出に用途をしぼった
出力時間延長型デジタル出力の反射光センサWS04M,WS04Eはこちら。
WS04GのLEDは緑色、光が遠くまでとどくように集光型です。
ライントレースやサッカーの黒線検出に使います。
なぜ緑色?
受光に使っているフォトトランジスタの分光特性(色の違いによる感度の違い)
は人間の目の特性に近くできています。
最も感度が高いのが黄緑色の波長です。
感度を高めるためにそれに近い色の発光にしています。
WS04RのLEDは赤色、光が広い範囲にとどくように散光型です。
なぜ赤色?
サッカーチャレンジで、床に引かれた白線を調べることを目的にしています。
床はルールで緑色とされています。緑色は人間の目で判断します。 人間の目は光の3原色である 赤,緑,青 を感じて、この3原色の混ざる割合で色を感じます。 白い物は、赤,緑,青をどれもよく反射します。 緑色の物は、緑の光だけをよく反射し、その他の色を吸収するから緑色に見えます。 赤を使うと、白は赤をよく反射し、緑は赤を吸収するので、緑と白の違いがわかります。
WS04Wの光源LEDは白色です。
図の左はふつうの照明や白色光で見たレスキューチャレンジの交差点です。 緑や赤の光源での反射光は中,右のようになります。 緑の光源では緑色は白に近い反射に、赤の光源では緑色は黒に近い反射になります。 光源色を使い分けると緑マーカーを見たり見なくしたりできます。
端子P1,P2は、組み込み方に合わせて、電線をはんだづけするか、 取り付け場所に合う 2.5mmまたは2.54mmピッチのコネクタを付けてください。 コネクタは製品に含みません。
WS05を使い、発光受光素子を引き出し配線しました。
こうすると、せまい場所でも付けられます。
引き出したLEDの光を離れた場所から受光素子に当てます。
こうすると、間に光を通さない物体が通れば検知します。これをフォトインタラプタといいます。
サッカーフィールドの黒線をどの程度検出できるか調べました。
白線とは違い、緑床上の黒線検出は緑色光が適しています。
緑色発光の反射光センサWS04Gを付けたロボットを走行させ、黒線を横切るときの出力値を測定します。
国内大会でよく使われるこの床材は、黒に近い緑色でセンサの感度を高く調整することにより反射光が拾えます。
さらに黒線の材質と表面の状態による違いもあります。
発光受光素子の高さや角度を調整することにより違いがわかるようにできます。
黒線を識別するには光の入射角反射角を考えることがたいせつです。
この色のじゅうたんでは緑と黒の差が小さいので実際に使うフィールドで毎回調整する方がよいでしょう。
黒の油性インクで線を引いたものです。 | |
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測定結果です。 黒線の場所で値に変化があり、検出していることがわかります。 |
黒のビニールテープです。表面はつやがあり動画でもLEDの光が映り込むのがわかります。
この鏡面反射光を避けるくふうが必要です。 | |
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測定結果です。 |
紙でできた黒色のマスキングテープです。表面は良いつや消しになっています。 | |
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測定結果です。 |